肺の生活習慣病といわれるCOPD。
病院にかかっているのは、氷山の一角!
潜在的な患者さんが全国530万人と推定されています。
「ゆるやかに死に至る病」というわれるのに、
初期症状が咳・たん・息切れのために、「風邪かな?」と、本人も見逃してしまう。
本当に呼吸が苦しくなってしまう前に、
早く気付いて、治療に結び付けてほしい。
患者市民向けに加え、医療従事者むけ講習会を昨年に引き続き、今年も実施しています。
医療従事者向け講習会 「COPDと呼吸リハビリテーション ~栄養療法と運動療法の実践~」
2013年10月27日(日)13:30~16:30
ライフパーク倉敷視聴覚ホールにて開催、医療従事者20名のみなさんに
参加いただきました。(※環境再生保全機構「ぜん息・COPD予防等情報発信事業」として開催)
プログラムは、
「COPDの病気と治療について」尾長谷靖氏(川崎医科大呼吸器内科学講師)
「COPD患者の栄養療法について」河原和枝氏(川崎医療福祉大学臨床栄養学科教授)
「COPD患者の運動療法について」滝川明子氏(水島協同病院リハビリ科主任)でした。
開会あいさつ:
里見和彦先生(水島協同病院院長、みずしま財団理事)
「COPDの病気と治療について」尾長谷靖氏(川崎医科大呼吸器内科学講師)
尾長谷(おばせ)先生のお話は、テンポよくわかりやすい!
慢性気管支炎と肺気腫を総称して、COPD。
タバコ・大気汚染など有害物質で、
 ・通り道が汚くなってしまう・炎症:慢性気管支炎
 ・肺胞がつぶれてしまう:肺気腫
この病気は、
空気を吸えるけどはけないという苦しさを持っている。
COPDとぜん息は病態・原因はちがうが症状は似ている。
しかも合併することもある。
確定診断、治療、長期管理、のお話がありました。
続いて、
「COPD患者の栄養療法について」河原和枝氏(川崎医療福祉大学臨床栄養学科教授)
河原先生のお話は、臨床の調査結果に加え、栄養の役割のお話です。
「ごはんはたべるがおかずがたいへん」という声も多く聞かれる
でも、脂質、たんぱく質、などが大事なんですね。
COPDの患者さんのための栄養療法のポイント
1.十分なエネルギー補充→咳をするにもカロリーが消費される
2.脂質の摂取量割合を増加させる→呼吸商が低い(分解されて二酸化炭素が体にたまる割合が低い)
3.分枝アミノ酸を多くふくむものがよりよい(とうもろこし、牛乳、鶏卵、鶏肉)→良質なたんぱく質
4.抗酸化作用のある栄養素の摂取
5.呼吸リハビリテーションとともに栄養補給療法を併用
こんな工夫がいい!
・食欲不振の時は、エネルギーの高いもの、好きなものを食べる。食事回数を増やす(間食)。一皿に盛る。補助食品を頼る。
・いも類・豆類・くり・かぼちゃ・炭酸飲料は×→おなかにガスがたまるので苦しい
同じ調理法でもエネルギーが違います。
COPD患者さんはやせてしまうので、なるべくエネルギーの高いもの。
たくさんは食べにくいので、少量でそれが得られるもの!白いご飯を減らして、おかずのサラダにマヨネーズをたす。それだけでも栄養バランスが脂質を多めに、カロリーを多めにできます。
参加された栄養士さんたちは熱心にメモを取られていました。
休憩中には、COPDに適した栄養剤や、BCAA(アミノ酸)の多い栄養補助食品の試食・試飲もしてみました。
「COPD患者の運動療法について」滝川明子氏(水島協同病院リハビリ科主任)
最後のプログラムは運動療法。
患者自身が疾患を理解して、セルフマネジメント能力を獲得できるようになることが、
目標と話される滝川さん。
運動療法のプログラムとして、
・コンディショニング(呼吸法、リラクゼーション、胸郭可動域、呼吸体操、排痰)
・トレーニング(全身持久力、筋力(下肢))→呼吸が大事!
・ADL指導(呼吸困難を起こす動作を確認、動作と呼吸の同調)
症状や状態の安定度にあわせて組み合わせるとのことです。
どうせしんどくなるから動きたくないという気持ちが患者さんにはあるが、どうしたら楽になるかを本人が知り、モチベーションを上げていく。患者さんは咳によって全身過緊張の疲労があるので、運動療法の導入準備には、コンディショニングが大事とのことでした。
口すぼめ呼吸も参加者皆さんで体験してみました。
1、2ですって、3、4、5、6で吐く。
「長く吐くことが大事」
盛り沢山な講習会、16:30終了しました。