9月6日(金)、大学生のための社会見学&エコツアー「水島コンビナートと、海の環境再生を学ぶ旅」を開催しました。
台風17号の影響も心配されましたが、みなさんの日ごろの行いがよほどいいのでしょう、絶好の研修日和となりました。

参加者は、岡山大学、倉敷芸術科学大学の学生さんを中心に41名でした。
今回は、環境省「地域活性化を担う環境保全活動の協働取組推進事業」の一環として開催しましたので、協議会のメンバーの方や、一般参加の方もおられました。

朝9時30分に倉敷市環境学習センターを出発し、まずは鴨ヶ辻山の展望台へ。

数日前の雨のおかげで、非常にきれいに水島地域を一望することができました。

水島の地理的特徴、コンビナートと市街地の位置関係、海風にのって市街地に流れた汚染物質が山に遮られたために、多くの公害被害者が発生したという話や、公害対策として造られた集合高煙突、緩衝緑地の話などに、皆さん熱心に聞き入っていました。

その後は、宇野津、呼松、松江を経てJFEスチールの工場見学。
解説のビデオを見た後、実際に工場内を案内していただき、出滓の様子や厚板工場で、鉄の生産現場を実体験することができました。

環境対策では、工業用水の約97%が再利用されているお話や、生成ガスを発電に利用されているなどの説明がありました。

JFEスチールのあとは、倉敷市環境学習センターへ。
ここでは、環境監視センターも合わせて見学し、大気や水質の監視体制の説明や、環境学習センターの取り組みなどを説明していただきました。

お昼ご飯を食べた後は、「環境学習を通じた人材育成・まちづくりを考える協議会」のメンバーでもある新水マリン(株)社長の古川明氏に、「水島港重油流出事故」と題してレクチャーをしていただきました。


入社してすぐに発生した事故の、当時の様子、その後同じような事故に3度も遭遇し、その中で水島の経験を活かして対応することができたというお話から、日常的な防災意識の高揚の重要性などをお話しいただきました。
実際に経験をした人のお話は、皆さんにも訴えるものが大きかったと思います。

その後、バスで黒崎連島漁協に移動し、小型定置網漁を体験しました。
数日前に降った雨の影響で、網には多くの草の切れ端やペットボトルなどのごみが絡んでいましたが、魚もたくさん捕れており、参加者は、みんな驚きの声を上げていました。
飛び跳ねるお魚にはしゃいだり、魚についての漁師さんの話を熱心に聞いていました。

雨の影響か、大きなアユがかかっていたのはさらにびっくり!

漁師さんとの交流では、昔と比べてとれる魚の種類や量が変わってきているか、埋め立ての影響はあったのか、といった質問が出され、漁師さんは一つずつ丁寧に答えていただきました。

多くの学生さんが、とれたお魚をお土産に持ち帰っていましたので、しっかり瀬戸内海のおいしいお魚を堪能していただきたいと思います。

今回のツアーでは、水島の工業地帯の最先端の技術と、昔ながらの漁業の対比、公害や重油流出事故の経験を活かした市民、行政、企業の取り組みから、過去の経験をどう活かすべきかといったことを考えていただくきっかけになったのではないかと思います。

ご協力いただいた関係者の皆さん、また参加者の皆さん、本当にお疲れ様でした!