明け方の雨も上がり、10月に入ってもまだ蒸し暑い中、今年も海岸生物調査を行いました。
この調査は、環瀬戸内海会議という市民団体が瀬戸内海全域の海岸の状況を調べるためにで2002年から毎年行なっているものです。内容としては、指標生物を決めており、一定区間内(幅10m)にそれらの生物がどれくらいいるかを数えることで、海岸の環境の状況を調べようというものです。具体的に数を数えるのは、イボニシ、カメノテ、アサリの3種類で、その他にも約8種類の生物を指標としていますが、それらは多いか少ないかということを調べます。今回も環瀬戸内海会議の小西さんにレクチャー・現地での指導をしていただきました。

本調査は、厳密な調査、というよりは、市民が気軽に楽しく参加することで、海岸や海に対する関心を呼び起こすきっかけにしてほしい、ということを主目的にしているようです。

みずしま財団は、本調査に2003年から協力しており、今年で5回目となります。調査地点は毎年同じで、児島通生の浜と高梁川河口の干潟でした。
参加者は、財団の職員も含めて8名、今回もマスコミ4社が取材に来ており、環境問題への関心の高まりが伺えます。

調査の結果としては、昨年から大きな変化はありませんでしたが、護岸工事の影響や、地球温暖化の影響と思われるものもありました(詳細は下記をご覧ください)。やはり10年くらいは継続しないと、変化ということで分析をするのは難しいということですので、財団としても、今後も継続して調査に協力していきたいと思います。

しわく

 調査結果としては、児島通生の浜は結構自然が残っていて、カメノテが291個、イボニシが1485個見つかりました。アサリについては、岩場なので、調査は行っていません。その他にも、12種類(スナガニ、イソガニ、スガイ、イシダタミ、ヒザラガイ、ウノアシガイ、イソギンチャク類(ヨロイイソギンチャク(多い)、タテジマイソギンチャク)、ヤドカリ、ハゼ(1匹)、エビ(潮溜まりに多い)、イシガニ)の生き物が見つかっており、結構数の多いものもいました。しかし、今年は昨年に比べて、マガキのほとんどが死んでしまっており、夏場の高水温の影響かも知れないということでした。

もう一箇所、高梁川河口干潟では、カメノテ0個、イボニシ103個、アサリ1個(1m×1mの範囲内で探すのですが、5回やって1個体のみ)でした。その他の生き物としては、10種類(スナガニ、コメツキガ二、イソガニ、オサガニ、ヒザラガイ、アカニシガイ、アラムシロガイ(多い)、カリガネイガイ、アナジャコ、ハゼ)が見つかりました。指標生物が岩場に多いものということもありますが、高梁川では、護岸工事を2年ほど前にしており、その影響や、干潟のヘドロ化が進んでいるために、生物が少なかったのではないかと考えられます。