3月28日(日)、9:00~11:00(午後から10周年記念イベントがあったのでいつもより早めに終わりました)、春の八間川調査を行いました。
みずしま財団が設立する前の準備期間から調査を開始(1999年)していたので、今年度で11年目、何と46回目です。来年度は12年目です。
天気も若干曇っていましたが、そんなに寒くもなく、とても調査がしやすかったですね。
しかも水量が少なので、皆、長靴で川に入って生き物調査、水質調査、流量調査などをしました。
参加者は17名。お子さんがいつもより少なかったですね(んー春休みだからか、残念)。
10:30ごろまで調査をして、その後、東川町公民館で調査のふりかえりをしました。
最近の調査の特徴といえば、
まず、皆で生き物調査をします。だいたい一段落すると、2チームに分かれます。
①流量調査隊(私が勝手に名づけました)
しわく隊長のもと、だいたい子どもたちで構成され、2mの区間の水の流れの速さを10回測り、それを平均化し、断面積に掛けます。
ただ、今回、問題発生!
これまで魚釣りの浮きを浮かべて速さを測っていたのですが、これだと風などの抵抗を受けやすく、非常に遅く、「正確ではないのでは!?」という不安が・・・。46回目にして。
そこで、何がいいのか考えました。「葉っぱ」、「水草」などいろいろ試してみました。
そして、その辺を流れている水草を使って、2mの両端に印をたて、「スタート」、「ストップ」のかけ声で記録係がストップウォッチを押す。
これがまたほほえましい光景なんですね。
②砂の中の小さな貝調査隊
これはマニアックな調査です。川底の真ん中あたり30cm×30cmの範囲を10cmほど掘り返して、砂をとります。それを4つのふるいにかけ、その中から、貝を探します。一番小さな目のふるいに残った砂の中から小さな貝を探すのは至難の技です。苦行です。目が疲れます。「あるわけないよな~」とすぐに心が折れそうになります。
この作業はだいたい調査隊のベテランを中心に大人が担当します。
調査後半、2つのこの風景が、なんともいえないコントラストになっています。
さて、調査結果です。
●水の汚れ・水量
12地点で水質を調べましたが、特に上流の水質がよいことがわかりました。中下流域はいつも通りかな?ふりかえりでも、10年間調査をしてきて、上流の地点の改善が大きいねって話をしましたね。
ただ、水量が少なくなっていますね。これも大きな傾向としてみられます。上流部で下水道の整備や工場の縮小などが進み排水が流入しなくなったことが大きな原因のようです。
●生き物
生き物については、魚の数と種類が少なかったですかね。水量が少ないこと、水草が少なくなっていることなどが影響しているのかもしれません。ただ、工業廃水路側にエビモが見られました。以前はあまり水草はなかったように思います。そういう意味で最近、「工業側のほうが環境がいいのでは?」と言われたりもしますね。
魚の中には、大きなヌマムツがいて、子どもたちは大喜びでしたね。
あと、最近、カマツカが多いですね。下向きに口がついていて、砂とえさを一緒に吸い込んで砂を吐くとか。そこのほうにはいつくばるようにしているのですかね。
魚以外では、アメリカザリガニ(食べられた跡も多かったですが)、スジエビ、ヌマエビ、ヤゴなども多かったですね。後は貝類、スクミリンゴガイ、モノアラガイ、サカマキガイ、カワニナ、シジミなど。水草も数種類ずつありましたね。
ということで、楽しかった調査もあっという間に終わり、公民館で約30分ほどまとめをして解散。
まとめの中では、最近修正し終えた環境学習教材「八間川ってどんな川?」を参加者にお配りし、いろいろと感想をいただいたり、解説に使わせていただきました。
10年間の調査結果をまとめて作成したものなので、こういう形でまとめてあると変化がよくわかって、継続して調査をしてきてよかったねっていう話になりました。
あと、八間川の歴史や八間川沿いの何か変わった構造物なども紹介していますので、これがあると「八間川が100倍おもしろくなる」といううわさ(って勝手に私が流しているだけです)です。
ただ、本当に不思議な川ですよね。そこからいろんなものが見えてきます。
なぜ八間川を調査しているのか、水島の歴史を紹介しながら、そこにも触れています。
おっ読んでみたい!使ってみたいと思われた方、無料で頒布しております。
郵送料はご負担くださいね。お問い合わせはみずしま財団まで(086-440-0121)。
なにわだ
(長い間、八間川調査の担当をはじめみずしま財団の研究員をさせていただいていましたが、この4月1日から岐阜県の大学に勤務することになり、慣れ親しんだ水島を離れることになりました。思い起こせば楽しい思い出で一杯です。子どもたちの笑顔に囲まれて八間川調査をできたことは本当にいい経験です。今度はもうちょっと大きい学生さんの学びをお手伝いするような仕事になります。みずしま財団での経験を生かして、がんばってきます。また、ごあいさつは改めて。)