ここのところ、私の中では恒例となりつつある、瀬戸内シンポジウム(瀬戸内沿岸住民集会)が、8月22-23日(土・日)にかけて、松山大学カルフール3階会議室を会場に開催され、参加をするとともに、活動報告を行ってきました。

1日目は、瀬戸内シンポジウムが今回で30回目を迎えるということで、「瀬戸内の地域、社会、環境の再生に向けて」をテーマに、これまでの瀬戸内シンポジウムを振り返り、将来への提言を盛り込んだ基調講演から、「鞆の浦」訴訟の問題、瀬戸内の離島や地域医療、そして昨年からの不況の影響と雇用破壊といった幅広い内容の報告が行われ、会場の参加者により盛んな議論が行われました。

ちなみに、第1回目の瀬戸内シンポジウムは、1972年1月に「瀬戸内の『開発』と公害」をテーマに香川県で開催されましたが、その発端は、1968年に倉敷市立水島中学校(!)で開催された第3回公害研究集会(全国規模)であり、これを受けてJSA(日本科学者会議)が中心となって「住民と研究者の研究交流集会」として、瀬戸内シンポジウムが開催されることになったそうです。なお、この間のタイムラグは、当時の大学紛争の影響があったそうで、この辺に時代を感じますね。

2日目は、2つの全体会が行われ、全大会Ⅰは「瀬戸内の環境問題」をテーマに上関原発問題や火力発電所の温排水問題、ゴカイによる海底底質浄化実験についての報告がありました。

また、全体会Ⅱは、「瀬戸内の地域・社会の再生」ということで、徳島県を事例としたゴミ問題についての提起や瀬戸内の島での考古遺跡を活用した島の再生の取組の報告とともに、私も財団で現在取り組んでいる「海域を活用した環境学習プログラムづくり」について報告を行いました。

今回のシンポジウムでは、私ともう一人、倉敷市議のT氏が上述の雇用破壊について、現状と「ほっとスペース25」の取り組みの紹介を行いました(ほっとスペース25については、たより48号をご参照ください)が、これまでになかった報告ということで評価を受けていました。

まだまだ多くの問題を抱える瀬戸内海ですが、その解決のために住民と研究者が交流する場として、今後も瀬戸内シンポジウムの重要性は増していくのではないかと思います。

ちなみに、次回は、2011年3月に徳島で開催されることになっています。
少し先の話ですが、ぜひ皆さんも瀬戸内シンポジウムにご参加ください。

しわく