■っていつの話?

実は1ヶ月ほど前の話で、7月18日(金)のことです。
報告するのが随分遅くなりましたが、尼崎からいろいろと学ぶところがありましたのでご報告します。

■何しに尼崎に?

全国には水島と同じく大気汚染公害訴訟からまちづくりに取り組んでいる地域がいくつかありまして、中には組織を設立しているところもあり、それぞれの組織の若手職員で交流しつつ、勉強しましょうという会が尼崎で開催され、倉敷からしらが研究員となにわだが参加しました。

過去には、水島で開催されたことも。昨年は名古屋でした。

組織の形態も地域によって異なりますし、活動の内容や得意分野も違っていて、交流するといろんな学びがあります。
だいだい、それぞれの地域を見学しながら、活動内容について意見交換をしたりして交流します。

尼崎では、運河クルーズと商店街散策。それと「あまけん(尼崎南部再生研究室)」の活動紹介と意見交換。

あまけんは尼崎大気汚染訴訟の和解金を活用して設立した団体で、活動の中心を担うのは私と同年代の若手職員さんで、3人の方に尼崎の魅力、現状や課題、あまけんの活動などを紹介してもらいました(前置き長いな)。

■まずは運河クルーズで尼崎の臨海部を探検

あまけんの活動の1つ、運河クルーズを体験。
新西宮ヨットハーバーから出発。

何とあまけんのお一人がボートを運転され、お一人が解説してくださいました。

ボートなので工場の真横まで行けて、ものすごく迫力がありました。
工場の様子がよくわかります。

加えて、解説の中に「この工場では○○をつくっていて、シェアが○○%で…」とか、「この工場の形はこういう意味があってこういう形なんです」とか、「へー」とか「ふーん」とかいう話題があって飽きがこないんですね。あまけんの皆さんでいろいろ調べてカンペをつくられたとのこと。

それといろんな方がクルーズに参加されるので、喜ばれる解説のつぼを心得ておられるという感じでした。

それと尼崎の海の閉鎖具合は半端ではなく、水質も水島よりずっと悪かったように思います。それでもまだ埋立をしてました。

あと、最近できた松下のプラズマディスプレイの工場が大きかったですね。一方で、臨海部を市民の近づける森にしていこうというところもあって、何か不思議な感じでした。

そして、国内最大のパナマ運河式閘門「尼ロック」に感動しながら、港に帰ってきました。

 

■続いて、あまけん(尼崎南部再生研究室)の活動紹介と意見交換

あまけんの方にまず尼崎ってどんなところかをまず紹介していただき、その後、活動の紹介をしていただきました。

尼崎という地域の特性をうまく捉えながら、活動していらっしゃるという感じでした。

あまけんの活動は、地域情報誌「南部再生」の発行、「尼いも」という尼崎にあったさつまいもの復活とそれを使ったまちづくり、運河クルーズ、「メイド イン アマガサキ」コンテストの開催協力・ブックの発行協力などなど…。

尼崎には、中小企業のものづくりの技術があったり、商店街にたくさん魅力的なお店・商品があったりするので、それらをうまく掘り起こしながら、そこにうまく付加価値を付けて情報発信をされたり、そうした個々の取り組みを結び付けて新たな価値を創出されたりしておられます(急に表現が硬くなってしまいました)。

尼崎生まれの商品(メイド イン アマガサキ)などもたくさんあって、結構すごいものを持っているんです。そういうことって意外と地元の人も知らなかったりして。

あまけんでは、地元商店街が出資して作ったまちづくり会社(TMO尼崎)が毎年開催されている「メイド イン アマガサキ」というイベントに協力されており、いろんな尼崎生まれの商品などのコンテストをされています。

また、出されている機関誌や冊子がとてもスタイリッシュな感じで、しかもおもしろく、尼崎への愛情が感じられるものです。見せ方がうまい。

それとうまく地元の人を巻き込んでいるなって感じでした。

「ふんふん」と自分も感じているようなことや経験したことがあったり、「やっぱり進んではるなー(京都弁)」ってところもあったりしました。

ただ、公害地域の環境再生というところとどうつながっていくのかなっていう疑問もわいてきたりしました。
私もこの点は普段からよく悩むところです。

■最後に商店街散策

端っこの方は寂れていたりしましたが、商店街の真ん中の方に行くとしっかりしたアーケードがあり、いかにもという感じの商店街で活気がありました。

これでも全盛期に比べるとという感じかもしれませんが、地方都市の商店街と比べると元気がありましたね。お店の人の活気もありました。

それとおいしいものがいっぱい置いていました。メイド イン アマガサキに選ばれたたい焼きもおいしかったです。

掘り起こすものいっぱいあるなーって感じでした。

商店街の中に「メイド イン アマガサキ ショップ」というお店があり、先ほどのコンテストに選ばれた商品などが置いてあったりしてアンテナショップの機能を果たしていました。TMOや商店街が運営されているそうですが、仕掛け人はあまけんということで非常にうまく地元の方と関わっておられることを実感しました。

■参加してみて

いろいろと学ぶところがありました。1つ1つのことに楽しみや感動を覚えました。
あまけんの皆さんが尼崎というまちを楽しんでおられるからでしょうね。

普段からあまけんさんが出しておられる「南部再生」という機関誌が好きでよく読んでは参考にさせていただいています。
あまけんさんが何歩も先を行かれているから、やりやすい部分もあったりします(急に「さん」付けに)。

ただ、水島と尼崎の状況は本当に大きく違うなあって思いました。
水島はやはり大企業中心の産業構造で、再生の方向性も少し違うのかなっていう気もしました。

あとやっぱり公害地域の環境再生というところにどうつなげていかはるのかっていうところに、非常に関心あります。
ただ「まちを切り取る力・見せる力」、「地元の方を巻き込む力」には圧巻です。
まだまだ聞きたいことがたくさんありましたが、宴もたけなわということで解散しました。

次回は大阪西淀川でということになり、あおぞら財団の皆さんにお世話になります。
おっとその前に日本環境会議水島大会がありますね。そこでも各地域の交流があります。

なにわだ(あまけんの皆さん、本当にありがとうございました。大阪西淀川のあおぞら財団の皆さん、名古屋南部再生センターの皆さん、本当にお疲れ様でした。楽しくかつ勉強になる一日でした。いい刺激受けました。)