環境学習リーダーの養成を目的とした「おかやま環境塾 1泊2日の環境学習リーダー養成研修」が無事終了しました。
2日間とも、天気に恵まれ(良すぎて暑かったです!)、講義、フィールドワーク、海の体験学習、そしてグループワークと盛りだくさんでしたが、その分充実した時間がすごせたのではないでしょうか?

簡単ではありますが、2日間のご報告をしたいと思います。

 1日目の様子については、白神研究員が速報を載せているので、その補足をしますと、午前中は磯部作日本福祉大学教授による講義「環境問題とまちづくり」がありました。初めに環境問題の全体的なお話があり、まちづくりの視点からみた環境問題に関しての解説がありました。次いで、水島の公害、瀬戸大橋建設の問題、海底ゴミなどを事例として、身近な環境問題に関する説明がありました。最後に環境問題の解決、環境再生とそのために環境リーダーに求められるものとして、1.良好な環境を守り、人間の生存、健康で文化的な生活を保障する気概、2.環境に対する自然科学的な認識、3.環境問題に対する社会科学的な認識、4.環境や環境問題を人々に伝え、組織する力の4点を挙げられていました。参加者の皆さんに分かりやすく、2日間を通しての概略的なお話をしていただきました。

お昼は、先に紹介のありました、元気屋さんのお弁当。元気屋さんによるお弁当の解説、環境への取り組みも紹介され、美味しく勉強することができました。

午後はフィールドワークということで、バスに乗って水島地域をまわり、倉敷市環境監視センター、岡山県環境保全事業団による水島最終処分場を見学しました。まず最初の環境監視センターでは、公害問題についてビデオで学び、監視センターの機能、役割などに関する説明がありました。その後実際にテレメーターシステムや、大気環境の観測機器を見学しました。市内25の測定局で、1分単位で測定されるシステムなどに、参加者の皆さんは、興味を惹かれていましたが、そこから発せられる大気汚染に関する情報や注意報がどのように市民に伝えられるのか、といった質問も出されていました。

その後、鴨ヶ辻山の上から水島コンビナートを見学し、バスに乗って呼松地区、松江地区などを順番に見学しました。バスでは、磯部講師、浅田非常勤研究員による解説があり、水島のまちづくり、公害問題について現場を見ながら学んでいただきました。

磯部先生のお話に熱心にメモを取られています。

水島最終処分場では、産業廃棄物である廃プラスチックで下水汚泥を焼却処理しているお話や、各過程から排出されたビン等を資源として再利用するための倉敷市資源選別所についての解説がありました。その後、水島クリーンセンターや産業廃棄物の埋立処分場を実際に見学しましたが、現在工事が進められている新処分場は、普段めったに入ることができないところということで、貴重な体験ができたのではないかと思います。

これで1日目の研修は終了し、宿泊場所であるシーサイドホテルで、盛りだくさんの1日の研修のまとめをしました。

2日目も、上々の天気に恵まれ、午前中は、海の体験学習をしました。児島観光港からからこと丸という船に乗り、まずは味野湾で海域環境調査(透明度測定、CODパックテスト)を行ないました。その後、大畠漁協西野組合長による味野湾でのアマモ場の現状、漁業の状況についてのお話がありました。特に、「近年海砂採取禁止の影響か、透明度が上がっており、水がきれいになってアマモ場が増えてきたが、獲れる魚が増えているわけではない、海がきれいであることと豊かであることは必ずしも一致しないのではないか」というお話はとても印象的でした。
その後は、前日磯部講師より講義のあった瀬戸大橋や、バスで見学をした水島コンビナート、水島最終処分場を海上から見学することで、陸上から見るのとは違った発見があり、多様な視点で物事を見ることの重要性を学んでいただきました。

船上では、透明度の測定と、CODパックテストを行ないました。

午後は、2日間の研修のまとめです。この研修では、環境リーダーの養成ということで、リーダーに求められる「1.見る・見つける、2.聞く・聴く、3.まとめる、4.伝える」の4つの力をメインテーマとして学んでいただきました。そのための手段として、2日間での学びをまとめ、人々に伝えることを目的とした、壁新聞づくりを行いました。藤原研究員がコーディネーターを努め、1日目の最初にアイスブレーキングと概要説明、壁新聞作りのための下見カードの説明がありました。この下見カードがなかなかの優れもので、参加者の方がフィールドワークの途中でびっちりとメモを書き込んでいる姿をよく見かけました。

最後のワークは、2時間半という短い時間の中で、それぞれが見て、聞いてきたことを模造紙1枚の壁新聞にまとめます。5班に分かれたのですが、その中で、いかに伝えたい大事なポイントを文章にまとめるかということに、皆さん悪戦苦闘しながらも、楽しんで作業を行なわれていました。

そうして完成した壁新聞は、それぞれに個性があり、伝えたいこともとてもよくまとまっていました。この壁新聞を各班3分ずつ発表し、最後に磯部先生の講評が行なわれました。

皆さんの努力の結晶、壁新聞について発表しています。

2日間でも、時間は短く、かなり駆け足での学びになったかと思いますが、参加された皆さんが環境リーダーとしての何かを学ばれ、それが日常生活の中で活かされれば、企画・運営をした財団としても嬉しく思います。

みなさん、本当にお疲れ様でした。

しわく