水島のまちづくりについて、市民が主体となって学び、考える「水島のまちづくり」懇談会。9月26日(水)に、第3回懇談会を水島公民館 第2会議室で行いました。
水島商店街のまちづくりに熱心な方、環境問題やまちづくりに関心があり活動をされている方、循環バスを実現させたいと思っておられる方など13名の参加がありました。
■今回のテーマ:『水島の公共交通を考える』
倉敷市で交通政策を担当されている課の方から倉敷市の公共交通の現状と課題、さらには倉敷市で取り組まれている乗合タクシーや循環バスの実験についてご説明をいただき、水島の公共交通とまちづくりについて考えました。
■倉敷市の公共交通の現状と課題 ―交通政策課からご説明をいただきましたー
【現状】
・乗客客数が25年間で1/5に減少
・過去4年で全路線の1/5が廃止
・現在、市内にある82路線のうち、1日5便以下の路線が半数を占め、いつ廃止されてもおかしくない状況
【対策】
・『倉敷市公共交通体系調査』:急速に市民の足が奪われている状況で、喫緊の公共交通対策として実施。『だれもが、移動しやすく、利用しやすい公共交通を「守り」、「育てる」方策を検討し、市全体の公共交通の今後のあるべき姿を明らかにする』ことを目的に、鉄道との連携を含め、バスを中心とする公共交通のあり方を総合的に検討。
・乗合タクシー
・循環バス実験
■水島の公共交通について ―かなり具体的な提案が出され、活発な議論がなされました―
【質問・意見】
・他の自治体ではコミュニティバス事業を行っており、網目のような路線があるところ、100円で走らせているところもあるが、倉敷市では、団地などが主体でタクシーを走らせるしか方法はないのか?
・郵便番号712番の地域全体に、8の字に循環して臨海鉄道の駅につながるという路線が地域住民には望ましいのではないか。
・スーパーなど皆が行きたいようなところを循環させて、スーパーや病院などから協賛金をいただくことはできないか?
・水島地区で公共交通に関する準備委員会ができたとしたら、市から指導と補助金はあるのか?
などなど
【回答】
・拠点間を結ぶ路線は、最低限、何らかの移動手段の確保を検討している。あと、バスがなくなった地域、ない地域では、それぞれの地域でニーズが違うので、地域をよく知っている住民が運行主体になってもらえれば、市として協力していく形で確保していきたい。
・バスを1日動かしたらざっと3万円かかる。月100万。通常コミュニティバスで概ね成功したという事例は、収支率が半分ぐらい。協賛金で半分集められたら、そこでコミュニティバスを走らせることは可能だと思う。いかに利用してもらうかが課題になる。
・補助金については何ともいえないが、そういう話があれば参加するので、できる範囲で協力する。
■以前、水島で住民が循環バスの実現を検討していた!?
2002年から2004年ぐらいにかけて「水島地域内に循環バスを実現させる会」というものがあった。メンバーから「臨鉄の水島駅を中心に東回りでライフパークを通って広江まで行って、呼松から帰ってくるという路線と、西回りということで連島を回って鶴新田を通って帰ってくるという路線を循環させようということを考えていた。下電と話したりしたが、採算の問題、運行主体の問題で中座している。」という報告がありました。
■『倉敷市公共交通体系基本計画(仮)』がつくられています―素案ができたら意見を出しましょうー
現在行われている倉敷市公共交通体系調査の結果をもとに、公共交通の方針、骨格を示す計画がつくられています。年明けには、計画の素案ができ、素案に対するパブリックコメント(意見募集)も実施される予定になっています。ぜひ、市が考えている公共交通の方針・骨格に対して意見を出しましょう。
■まとめ
最後に懇談会の座長 白樫 清心女子大学教授から「自動車にこれだけ依存していることは異常な状態。10、20年先のことを考えるともう限界である。きちんと公共交通を復活させてしかないといけない。それから、水島の人がどういう交通体系が必要なのか調査しなくてはならない。今日はこんな具体的な提案が出るとは思わなかった。これから住民が主体になって(アンケート調査など)実現に向けて取り組んでほしい。」というまとめがありました。
今回の懇談会で、参加者の熱意とアイデア、これまで循環バスを実現させようとしてきた方々の豊富な議論の蓄積と具体的な提案、住民の熱意があれば協力するという行政職員の姿勢が確認されました。これらがうまく融合し、今後水島の公共交通を考えていければ、必ず誰もが移動・利用しやすい公共交通体系をもったまちに近づいていくのではないでしょうか。
■今後の懇談会の予定 ―まだまだやりますー
今後も継続して、さまざまなテーマで「水島のまちづくり」懇談会を開催します。懇談会の案内はホームページ等で行っております。ご関心のある方は、みずしま財団までお問い合わせ下さい扱ってほしいテーマなどがありましたら、ぜひご提案下さい。
なにわだ