この集会は1966年に開かれた第1回岡山県高校生部落問題研究集会が、高校生の自主活動として発展してきたもので、その後名称が改められて、今年の第43回の集会を迎えました。
集会は、高社研(高校生社会問題研究連絡協議会)という部活動に所属している高校生が中心となり、実行委員会を組織して開催されるのですが、それぞれが社会問題について学習し、活動してきた成果などを発表し、議論し、深めていくという内容になっています。
10月6日(土)〜7日(日)の2日間、福祉問題、公害・環境問題、平和や民主主義などの諸課題や高校生活のあり方について、活発な討論が行われました。
■何でまた高校生の交流集会に?
高社研ではさまざまな取り組みが行われていますが、夏には各地区(備前、備南・備北、美作)ごとに地域交流学習が行われました。備前地区では、環境問題・ゴミ問題についてフィールドワークを中心に学習をされましたが、その一つとして水島地域の公害問題を取り上げ、7月31日には現地を視察されました。その視察のお手伝いをみずしま財団でさせていただきました。
2泊3日の日程で行われた地域交流学習では、水島の公害問題のほかに、金甲山の不法投棄問題、瀬戸内海の環境問題、ゴミ問題などについても学ばれました。
その成果を集会で構成劇ならびにレポートという形で発表されるということで、特に劇がみたい(どうやら視察受け入れの様子が再現されているところがあるらしく)ということで参加してきました。
■開会集会では構成劇「白い雲、青い空、そして美しい地球を未来へ」には財団関係者が実名で登場!?
開会集会は、10月6日(土)10:00〜12:00の約2時間三木記念ホールで行われ、各学校や各地区での高社研の活動が報告されました。
その中で、備前地区からは「白い雲、青い空、そして美しい地球を未来へ」と題した構成劇がありました。夏のフィールドワークの様子の写真を示しながら、フィールドワークの講師の先生と生徒のやり取りなどが再現されており、非常にわかりやすく内容になっていました。水島地域の場面では、私をはじめ視察に参加した職員がなんと実名で登場。私の役をやってくれたのは、しっかりものの優秀そうな生徒さんで少しイメージが違いましたが…。痩せてましたし…。
内容は、各地で実施したフィールドワークをそれぞれ報告するというだけでなく、それらをうまくつなげながら、問題の本質に迫っていたと思います。
「まちづくりと環境問題」、「資本主義社会の発展と自然破壊」が密接に関わっているということが示され、水島ではまちづくりに失敗したこと、まちづくりをきちんとしないといけないこと、社会のあり方を見直さないといけないということが結論付けられていました。
現地の視察では、短い時間で十分に水島の公害問題について伝えられたかどうか不安でしたが、多分その後、時間をかけて調べたり、まとめられたんだろうと思います。
高校生の皆さん、彼らを支えてこられた先生方、本当にお疲れ様でした。
■分科会では備前地区地域交流学習の取り組みが報告され、それをもとに環境問題・ゴミ問題について議論されました。
午後からは岡山県立朝日高等学校で分科会が行われ、テーマごとに生徒が分かれ、活発な議論がなされました。
NHK教育テレビで以前放送されていた「しゃべり場」みたいな感じでした。
ただ、報告者や進行役もいたりして、大人顔負けの分科会になっていました。
私は、備前地区の環境問題・ゴミ問題についての報告がある分科会に参加しました。
オブザーバー的に参加していたのですが、いろいろと質問が飛んできたり、感想を求められたりと大忙しな3時間でした。
「何で今循環型社会とか持続可能な社会って言われているのか」あたりを話してきました。
環境問題・ゴミ問題は的が広く、討論の焦点が定まりにくかった部分もありましたが、報告がとてもまとまっていたので、それを共通認識にできただけでも大きな成果になったのではないかと思います。
■全体を通じて
現場で社会問題を学ぼうという姿勢は非常にすばらしいと思いました。
そして、現地で学んだことをこのような形で成果としてまとめられたことに感銘を受けました。
高校生の熱心な取り組みと、それを支える先生方の努力が見られ、高社研の取り組みは非常に有意義なものだと思いました。
高校生にとっては、この年代から社会問題と接することで進路等にも大きな影響を与えるのではないかと思います。今後ますますの発展を期待しています。
なにわだ