川崎医科大学の4年生約100人が5回に分かれて、水島地域を訪ね、水島の歴史や公害問題について学ぶ見学実習。
今回は、第5回目ということで、今年度の最終回となりました。

本見学実習は、「水島の経験を未来へ活かす」をテーマに、鴨ヶ辻山からの視察、公害患者さんとの懇談、公害医療に携わった医師のお話といったプログラムになっています。

まずは、バスに乗り、鴨ヶ辻山展望台から水島地域を一望。その後呼松や松江を巡りました。
ここでは、コンビナートの巨大さや、市街地との位置関係など、公害の地理的な影響について学びました。

その後、あさがお会館に移動し、水島の歴史と公害についてのレクチャー。

水島の成り立ちや公害の歴史、公害経験を活かした呼吸器リハビリの取り組みなどについて説明しました。

公害患者さんとの懇談は、公害病の症状のお話や、家族への影響、薬によってだいぶ楽にはなったが副作用の問題がある、といったお話に学生さんは聞き入っていました。

里見和彦医師(水島協同病院院長、みずしま財団理事)からは、「公害医療に携わって」と題してお話をいただきました。

お話のポイントは、以下の3点。
・公害は終わっていない
・公害反対から地域再生
・現代を見る視点・現場を見る視点

「患者・地域に向き合う」、「病気の背景を知る」姿勢の大切さについて話されました。

学生さんからは、「現在新たな患者は発生しているのか」、「呼吸器リハビリの効果」などについての質問があり、熱心に意見交換がされました。

本見学実習は、来年度も予定されており、今後も医学生さんに水島の経験を活かした学びの機会を提供していきたいと思っています。