9月23-24日(日-月)にかけて、島根大学法文学部法経学科の3研究室の学生と先生、合せて19名が、水島地域でフィールドワーク研修を行い、その受入を行いました。

そのテーマは、「都市と農村が直面する政策課題」となっていて、2泊3日の研修の中で、水島で日本の経済を支えてきた製造業の現場とその影で発生した公害問題について学び、鳥取県日南町で中山間地の課題とその対策としてのバイオマス利用・グリーンツーリズムについて学ぶというものでした。
みずしま財団では、前半2日間の倉敷市での研修のコーディネートをしました。

倉敷市水島では、まず環境学習センターの岡本規利所長に、施設の紹介と、環境政策について話を伺いました。

その後、塩飽から水島の公害の歴史と、その後の環境再生の取り組みについて概要を説明した後、公害患者さんから直接当時の様子や現在の症状、生活上での課題などについてお話を伺いました。

2日目は、三菱自工とJFEスチールで工場見学をし、日本の産業の抱える課題や、今後の展望、環境対策の取り組みなどについてのヒアリングを行いました。

その間の時間に、水島の商店街を散策し、地方の商店街の抱える課題を実感するとともに、頑張って取り組みをしているお店などの見学も行いました。バスに乗って、鴨ヶ辻山の上から水島地域を展望し、地理的な条件と公害との関係、まちづくりの課題などについても学びました。

やはり、若い学生さんたちにとっては、患者さんのお話がインパクトがあり、皆さん真剣に聞かれていました。
中には、自分もぜん息持ちという学生さんも数人いて、他人事ではないと、憤りを感じたという意見もありました。

今回の研修の目的の一つは、産業発展を追い求めた結果、公害患者さんがたくさん発生したように、例えば自分が何かした場合にそれが他人にどういう影響を与えるかをきちんと考えて行動する力を身につけることを目指したものでした。
また、今回の経験が、環境問題に限らず、様々な角度から問題を分析し、自分なりの意見を持つきっかけとなり、今後に活かされることを願っています。