少し時間が経った報告になってしまいましたが、2月16日(土)にシンポジウム「『海ごみ』をなくすために」を開催しました。

本シンポジウムは、平成19年度「ひと、輝くまち 倉敷。」市民企画提案事業として開催しました。昨年度は、「倉敷の海」でのごみ問題を中心に議論しましたが、今年はその議論を進める形で、海底ゴミ問題の解決に向けて、「協働による取り組み」をキーワードに、日本各地で先進的な取り組みをしている方々に事例を報告していただきました。そして、各地での取り組みを踏まえて、倉敷での協働による海ごみ対策のあり方について、参加者も含めて議論しました。

基調講演をはじめとして、非常に豪華な顔ぶれの報告者によるお話は、非常に示唆に富んでおり、有意義なものとなりました。また、会場も含めた総合討論も、非常に盛り上がり、この問題への関心の高さと、抜本的な対策の必要性を改めて感じました。

 まず、最初に磯部作日本福祉大学教授による「海ごみ問題、その状況と対策、今後の課題について」と題した基調講演があり、海ごみ問題の現状と問題点、協働による取り組みの可能性についての問題提起がありました。その後、各地からの報告ということで、JEAN/クリーンアップ事務局の小島氏による市町村との協働事業である「海ごみサミット」、韓国NGOとの協働により、お互いに訪問しあって、シンポジウムなどを開催しているという取り組みの紹介がありました。次に、(財)環日本海環境協力センター(NPEC)藤谷氏からは、日本海地域での環境問題から、NPECが日本海沿岸4カ国で取り組んでいる海辺の漂着ゴミ調査の取り組みの説明がありました。環境省中国四国地方環境事務所の飯野氏からは、今年度行なわれた瀬戸内海全域での海底ゴミ調査の報告があり、この問題が瀬戸内海全域の問題であり、またその堆積状況には偏りがあることなどが報告されました。財団からは、塩飽が、行政、漁業者、企業などの協働による取り組みとして、水島港事故等対策協議会や、瀬戸内海環境美化推進事業などについて報告しました。

その後の総合討論では、漁業者の方から海底ゴミによる被害の説明や、清掃活動も大事だが、何よりもゴミを出さないように取り組むことが必要であるといった意見が出されました。特に海底ゴミは、漁業者の方でなければ回収が難しいことから、その位置づけやかかる負担をどうするべきかといった具体的な議論もなされました。海底ゴミをはじめとする海ごみの問題の抜本的な解決に向けては、まだまだこれからですが、今回のシンポジウムがその問題解決のきっかけとなれば幸いです。

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