こんにちは、白神@北京です。

山陽新聞に掲載されたように、23日から北京へ来ています。

「第3回日中NGOシンポジウム -環境教育をめぐって」

(主催:日本国際協力機構 中国事務所、中国国際経済技術交流中心)

に参加して、分科会では報告をします。

 

まずは、シンポジウム1日目の午前が終了したので、

午前の部 前半の報告をします。

———————————

過去2回、北京でおこなってきた日中NGOシンポジウム。前回は障害者支援をテーマに実施。

今回は「環境教育」をテーマに行います。

日中双方の専門家、団体、日系企業等が参加。

1日目の午前は、シンポジウム。

シンポジウムの開会式では、

JICA 中川聞夫所長のあいさつをはじめ、

趙中屹 氏(中国国際経済技術交流センター副主任)、

山崎和之氏(在中国日本大使館 行使)、

李勇 氏(民政部民間組織管理局 副局長)らのあいさつがありました。

その後、基調講演として、2名の講演。

まず、はじめに中国側から

「中国のNGOによる環境教育の取り組み状況」と題しての、

烏恩 氏(北京林業大学園林学院森林旅学部)の講演。

中国のNGOはスタートしたばかり。初期段階(6歳ぐらい!)という状況。今後が期待できる状況。

しかし、環境教育についてはまだまだ弱い。その課題として5つをあげていました。

(1)  環境教育に対する社会の認識が弱い

(2)環境教育に特化したNGOが少ない

(3)機能発揮範囲が狭い

(4)資金とキャパシティの不足

(5)中国型環境教育に対する考えと実践が乏しい。

社会全体の環境教育に対する認識と重視が不足している。

例として、上海の湿地保護区での大学生が現地見学をしても、観光的な利用でしかなく、充分な環境教育の場になっていない。また、関連法案の中での記載も少ない。

環境教育に特化したNGOが少ないという点に関しては、

参考とすべき先進事例として、日本の清里の例を取り上げ、また機能発揮範囲が狭いという点については、香港の「地球之友」というNGOを取り上げ、講座やパネル宣伝等の取り組みを紹介。

資金とキャパが不足、他事例として、WWFのプログラムや米浦の事例を紹介。

また、「中国型環境教育」がまだまだこれからであること。

「天人合一」という言葉を引き合いにだし、

人間と環境のかかわりは、まだ知識人レベルにとどまっていて、一般まで浸透していない。

一国のカルチャーになるには、一般の人たちまで、生活スタイル・考え方が浸透しなければならない。

そういった点で日本の事例から学ぶことができる。

またボランティアなど学生のパワーをNGOに取り入れていくこと、企業の社会的責任など世の中の流れを活用していくことの必要性などにもふれ、中国での環境教育の課題をお話になった。

つづいて、日本側から「日本の環境教育分野のNGOネットワーク」と題して、諏訪哲郎氏(学習院大学教授)の講演。

まず、日中韓の環境教育交流の歴史を振り返ったのちに、

中国と日本の環境教育の特色の違い。

中国は、地域密着型のNGOが多いこと、日本は自然体験学校の活動が盛んであることを説明。

それを踏まえ、体験学習の有効性(子供の時期に体験が豊富なほうが意欲が高い、友達とよく遊んでいたほうが規範意識が高いなど)の紹介。

また、新しい役割として、地域の再生(少子高齢化などへの課題対応)を担うようになったこと、ネットワークが強力であること(日本環境フォーラムなど)を実例を示しての講演であった。

1日目午前の後半につづく